1982年の価格表を見ると、いかに高度な技術を採用していたのかが明らかになります。例えば、インタークーラー、Dr. Cser発案の複合過給システム、AFT製電子制御イグニッション(燃料カットオフ機能付き)、KKK製ターボチャージャー「K27」、機械式燃料噴射システム「Pierburg DL」(エアフロー・メーター付き)などが備わっていました。カルダン・トンネルの小さなホイール(いわゆる「スチーム・ホイール」)を利用することによってブースト圧を0.45~0.9 barの範囲で調節ができたことから、生み出せる出力が250~330 PSの範囲で変化しました。生み出されたパワーは、新開発のZF製6速トランスミッションとロック率25%のリミテッド・スリップ・ディファレンシャルを介し、2本のリヤ・ホイール(Pirelli P7、225/50 16)に分配されました。
ピンストライプのモデルに備わる蒸気エンジン
しかし、技術だけが際立っていたわけではありません。この素晴しいクルマのエクステリアとインテリアには、ブルカルト・ボーフェンジーペンのサインが記されていました。