BMW ALPINA B7:生産終了を迎えるアイコン
BMW 7シリーズほど魅力的な車両モデルは、ほとんど他に例がありません。また、ALPINAの哲学とこの上なく相性が良いBMWモデルであり、貴重な存在です。ALPINAの哲学と相性が良いということは、革新性、ラグジュアリー性、快適性を兼ね備えているだけでなく非常に高性能でもあるということ、さらには、押しつけがましさを感じさせる点が一切見当たらないということでもあります。1977年登場の初代BMW 7シリーズをALPINAの創設者ブルカルト・ボーフェンジーペンが熱狂的に受け入れたことや、この7シリーズが6世代にわたってインスピレーションを提供し続けたために卓越したBMW ALPINAモデルが生み出されてきたということは、どちらも不思議なことではありません。BMW G11/12シリーズからG70への最新の世代変更が行われたのに伴い、アルピナの工場ではBMW ALPINA B7の時代が終焉を迎えようとしています。そこで私たちは、BMW 7シリーズをベースにしてブッフローエで生み出された魅力的なモデルを振り返ってみることにします。
6世代にわたるモデル
1977年、BMW E23モデルからすべてがスタートしました。この新シリーズが登場すると、ブルカルト・ボーフェンジーペンはALPINAにとっての可能性をすぐさまそこに感じ取ります。そして当時のチーフ・エンジニアであったフリッツ・インドラ博士と協力し、BMWのフラッグシップ・モデルとなったこのE32に対してALPINAの哲学を適用し始めたのです。そうして完成したのは、パフォーマンスを大幅に進化させたうえにサスペンションを一新させた1台であり、そのインテリアとエクステリアには、ALPINAのクラシックなコンポーネントが採用されました。こうして真の傑作が誕生すると、その後も類まれなモデルが5世代にわたって続きました。フォト・ギャラリーでは、1970年代から現在までの間にブッフローエで開発・生産されたすべてのBMW ALPINA 7シリーズを紹介しています。
最高の仕上がり:BMW ALPINA B7(G12)
「開発の最終段階にあるBMW ALPINA B7は、ALPINAの7シリーズとして史上最高の完成度を誇っています。まさにALPINAとBMW 7シリーズの集大成であると言えるでしょう」。ALPINAのCEOを務めるフロリアン・ボーフェンジーペンは、ディンゴルフィン工場で製造される最後のBMW ALPINA B7を受け取るにあたりこう話しています。BMWで工場長を務めるクリストフ・シュレーダーは、共同CEOである 2 人のボーフェンジーペン兄弟に対し、最後の2台となるグリーンのモデルとブルーのモデルを個人的に手渡しました。どちらもアルピナを象徴するカラーリングです。「ALPINA とディンゴルフィン工場は、長期にわたる深いパートナーシップで結ばれています。最終世代のB7 モデルだけでも、最高品質のクルマが2,000台以上ここで生産されました。生産されたクルマはブッフローエの工場で洗練度が高められるとともにカスタマイズが施されます。アルピナ・グリーンでカラーリングされた最後のBMW ALPINA B7を前にすると、私たちのコラボレーションの歴史が目に浮かびます。このクルマは、このあとすぐアリゾナ州のスコッツデールへ送られます」とアンドレアス・ボーフェンジーペンは車両引き渡しのセレモニーで述べています。
工場でのパッケージング
しかし、最後のBMW ALPINA B7が幸運なオーナーの元へ届けられるのに先立ち、ブッフローエの工場では最後の仕上げ作業が行われます。BMWの生産ラインに組み込むことができない工程は、ブッフローエにおいて手作業で行われるのです。社内のレザー・ワークショップでインテリアのカスタマイズが行われると、それぞれのモデルは個別に承認されます。米国以外で販売された最新世代のBMW ALPINA B7については、その5台に1台が、高品質なLAVALINAレザー・インテリアをカスタマイズしていました。終わりを迎えつつある唯一無二のB7は、現在、ALPINAのレザー・ワークショップにおいて最後の仕上げが手作業で進められています。
BMW ALPINA B7(G12)の燃費およびCO2 排出量*:
NEDCモードの平均燃費 9km/l 、CO2排出量 253g/km、効率区分F(ドイツ)、WLTPモードの平均燃費 8.6km/l 、CO2排出量 264 g/km
*記載されている燃費とCO2排出量は、適用されるバージョンのEU Regulation 715/2007に基づいた計測値となっています。
*本記事は独アルピナ社(ALPINA Burkard Bovensiepen GmbH + Co. KG )発行のニュースレターの翻訳であり、日本市場と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。